Excel 2007のバグは直ったのか?


プログラムにバグはつきものです。前バージョンのExcel 2007にも、いくつかのバグがありました。Excel 2010では、はたして直っているのでしょうか。ここでは、当サイトの「Excel 2007レビュー」で報告したバグについて検証してみます。

グラフ入りシートをコピーしたときの不具合

グラフが挿入されているシートを別ブックにコピー/移動したときの不具合です。コピー/移動先のブックに、すでに同名のシートがあると、グラフの参照がうまくいかないという不具合です。詳しくは「グラフ入りシートをコピーしたときの不具合」をご覧ください。

うむ、これは直っているようですね。

並べ替えの不具合

  • 最優先されるキー:ふりがなを使う
  • 次に優先されるキー:ふりがなを使う

という設定で並べ替えをしたとき「次に優先されるキー」が"ふりがな順"ではなく"文字コード順"で並んでしまう不具合です。詳しくは「並べ替えの不具合」をご覧ください。

これもOKみたいですね。・・・何か直ってないバグないかな(笑)

よ~し、とっておきのヤツ、いってみよう(爆)

ユーザー定義書式の不具合

「セルの書式設定」のユーザー定義書式で「[赤][>0]G/標準」のように、"0と比較して色を変える"書式を設定すると、表示がおかしくなるバグです。詳しくは「ユーザー定義書式の不具合」をご覧ください。

あれぇ~直ってないぞぉ~。この不具合、前にも検証したことがありますが、なんかExcel 2007とは微妙に動作が異なっていたような気がします。まぁ今回は、とりあえず直ってない、ということだけ。

【追記】

RC版(製品候補版)でも直っていません。なぜ直さないんだろう。以前のExcelで作った表などでは、この表示形式で色を変えているケースも、きっとあるはず。そうしたブックをExcel 2007で開いたら、いっせいに「####」となっちゃう。これを「仕様です」とは言えないでしょう。直したところで、ほかの機能に影響が出るとは思えないけど・・・あ、そっか、Excel 2007では画面の描画が大きく変わりましたっけ。ワークシート上で使用できる色数も、従来の56色から1600万色に増えています。ということは、セルの文字に色をつける部分も新しくなっているというわけか。そこと、表示形式との連携がマズイんだろうか。だとすれば、直せないというのも、ちょっとわかる気がする。なお、Excel 2003までの色と、Excel 2007以降の色について、詳しくは下記のページをご覧ください。

セルの操作(文字色の設定)

矢印はセルごと削除できない

図形(オートシェイプ)が配置されているセルを削除したとき、Excel 2003まででは、図形が削除されずに残ってしまいました。しかし、Excel 2007では上に配置した図形も削除されるようになったのですが、ただし「ある特定の矢印または直線」は、セルを削除しても残ってしまうという不具合です。詳しくは「やっぱり消えない?」をご覧ください。

・・・直ってませんね。いや、削除されないならされないでいいんですよ。だけど、図形の大きさや、図形の種類によって、削除されたりされなかったり・・・ってのはダメでしょ。次のように。

矢印の高さ(行)が低い(少ない)と削除されます。

四角形など、矢印や直線ではない図形は削除されます。

【追記】

RC版(製品候補版)では、直っているようです。

オートフィルタで絞り込まれたデータを削除すると、該当しないセルまで削除される

オートフィルタで絞り込んだデータは、表示されているデータだけを選択して操作したとき、条件に一致せず表示されていないセルには反映されません。それが、オートフィルタを設定するときの選択範囲によっては、関係ないセルまで影響を受けてしまうという、ちょっと不思議なバグです。詳しくは「オートフィルタのバグ」をご覧ください。

このリストにオートフィルタを設定します。設定前に選択しているセルがポイントです。

ちなみにオートフィルタは、Ctrl+Shift+Lでオン/オフを切り替えられます。覚えておくと便利なショートカットキーです。

A列を「女」で絞り込んで、該当したB列のデータを選択します。

Deleteキーを押して削除します。

オートフィルタを解除すると・・・

直ってました。

循環参照に関する不具合

説明がややこしいので、詳しくは「循環参照の見つけ方とバグ」をご覧ください。

直ってませんでした(図は省略)。

【追記】

RC版(製品候補版)でも直っていません。もしかすると、これも「仕様です」なのでしょうか。ちなみにこのバグ「新しいブック」でなくても再現できました。「循環参照していないワークシートに自動再計算関数を入力」しても同じです。Excelで開いている「どれかひとつのワークシート」で循環参照がされている場合、どのワークシートがアクティブであってもステータスバーに「循環参照」と表示されるのは分かります。このブックでは循環参照がありますよ、というメッセージですね。このとき、循環参照をしているワークシートがアクティブになれば、ステータスバーに循環参照しているセルのアドレスが表示されるのも分かります。これは便利な仕様です。しかし、関係のないワークシートに自動再計算関数を入力したとき、そのアドレスが表示されるのは、どう考えてもおかしいです。だって、その自動再計算関数を入力したセルは循環参照していないのですから。これを「仕様です」というのは無理がありますね。

Excelが強制終了するバグ

最後に、Excelが強制終了してしまうバグを検証します。これは、Excel 2007では再現性100%ですので、直っていて欲しいですね。詳しくは「Excelが強制終了するバグ」をご覧ください。

Windows XP(32ビット)+Excel 2010(32ビット)

Windows 7(64ビット)+Excel 2010(64ビット)

ありゃりゃ・・・完璧にExcelが強制終了しますね。もう、面倒くさいから画像はこれだけ。手順は「Excelが強制終了するバグ」を見てください。多くのユーザーがひんぱんにやる操作ではありませんけど、オートフィルタと別シート参照のコンボでしょ。操作ミスで、これやってしまう可能性はあると思います。なにしろ強制終了ですから、編集途中のデータは消えてしまいますしね。このバグが直っていないのは残念です。

【追記】

RC版(製品候補版)では直っていました。さすがに、こうしたShowStopperは優先的に直りますね。