VBA でシステムを作ったとき、機能をメニューから選択できると便利ですね。独自のメニューをメニューバーに登録する方法をご紹介しましょう。
Sub AddMenu() Dim NewM As Variant, NewC As Variant ''新しいメニューを追加する Set NewM = Application.CommandBars("Worksheet Menu Bar").Controls.Add(Type:=msoControlPopup) NewM.Caption = "新しいメニュー(&C)" ''オリジナルコマンドを追加する(1) Set NewC = NewM.Controls.Add With NewC .Caption = "保護解除(&U)" .OnAction = "UnProtectSheet" .BeginGroup = False .FaceId = 277 End With ''オリジナルコマンドを追加する(2) Set NewC = NewM.Controls.Add With NewC .Caption = "参照元/先のトレース(&P)" .OnAction = "Precedents" .BeginGroup = True .FaceId = 450 End With End Sub
Excel のメニューバーは「Worksheet Menu Bar」という名前の CommandBar オブジェクトです。Add メソッドでコントロールを追加できます。引数 Type に msoControlPopup を指定すると、サブメニュー項目を持つメニュー コマンドが追加されます。
変数 NewM に新しく追加したメニューが格納されていますので、メニューにコマンドを追加するには「NewM.Controls.Add」とします。クリックすると実行される一般的なコマンドを追加するときは、引数 Type を指定する必要はありません。
追加したコマンドに表示する名前は「Caption プロパティ」に設定します。設定している文字列中に「&」とアルファベットを 1 文字指定することショートカットキーを設定できます。たとえば「新しいメニュー(&C)」のメニューは、Alt キーと「C」キーを押すことでアクセスできます。「OnAction プロパティ」はクリックされたときに実行するプロシージャです。無用なトラブルを避けるためにも、特別な理由がなければ標準プロシージャに書いた方がいいでしょう。「FaceId プロパティ」はアイコンです。数字で指定します。Excel 用の FaceID 一覧でしたら持っていますので、ご覧になりたい方はメールしてください。「BeginGroup プロパティ」に True を設定すると、そのコマンドの直前に区切り線が表示されます。
通常のコマンドではなくサブ コマンドを持つサブ メニューを追加することもできます。Excel の標準メニュー [データ] - [フィルタ] みたいなヤツです。これには「NewM.Controls.Add」の Add メソッドに引数 Type を指定します。
Sub AddMenu() Dim NewM As Variant, NewC As Variant ''新しいメニューを追加する Set NewM = Application.CommandBars("Worksheet Menu Bar").Controls.Add(Type:=msoControlPopup) NewM.Caption = "新しいメニュー(&C)" ''オリジナルコマンドを追加する(1) Set NewC = NewM.Controls.Add With NewC .Caption = "保護解除(&U)" .OnAction = "UnProtectSheet" .BeginGroup = False .FaceId = 277 End With ''オリジナルコマンドを追加する(2) Set NewC = NewM.Controls.Add With NewC .Caption = "参照元/先のトレース(&P)" .OnAction = "Precedents" .BeginGroup = True .FaceId = 450 End With ''オリジナル サブメニューを追加する Set NewC = NewM.Controls.Add(Type:=msoControlPopup) With NewC .Caption = "標準に戻す" .BeginGroup = True With NewC.Controls.Add() .Caption = "シートの外観(&S)" .OnAction = "SheetStyle" .FaceId = 8 End With ''オリジナル サブメニューのコマンドを追加する With NewC.Controls.Add() .Caption = "文字色(&T)" .OnAction = "DefaultFontColor" .FaceId = 476 End With End With End Sub
このようなオリジナルメニューは、標準のメニューバーだけでなくツールバーに追加することもできます。
Set NewM = Application.CommandBars("Worksheet Menu Bar").Controls.Add(Type:=msoControlPopup)
の「Worksheet Menu Bar」に追加したいメニューバーの名前を指定すれば OK です。なお、ツールバーにテキスト ボックスやコンボ ボックスを追加するテクニックは「ツールバーでテキスト ボックスを使う」を参照してください。