「外部データの取り込み」がなくなった


上図はExcel 2013の[データ]タグです。では、Excel 2016はどうでしょう。

分かりますか?「外部データの取り込み」がないでしょ。この機能を使って、Accessのデータとか、テキストファイルとかをワークシート上に取り込んでいたユーザーは、きっと多いはずです。でも、Excel 2016では消えました。

正確には、機能としては残っています。使おうと思えば使えます。でも、今までのようにリボンにボタンを表示させるのは、ちょっと面倒くさいです。ここで重要なことは、なんでMicrosoftは、そんなことをしてきたのかってことです。もちろん理由があります。従来の「外部データの取り込み」は、もう使って欲しくないんです。だから隠したんです。だから表示させるのを面倒にしたんです。「じゃ、どーすればいいの!?」って思いますよね。その答えが「これからは"取得と変換"を使ってください」ってことです。それがMicrosoftの考えです。"取得と変換"を使えば、今までと同じことが、いや、それ以上のことが可能になります。こうしたMicrosoftの考えは、何もExcelというアプリケーションに限ったことではありません。クラウドの世界というマクロ的な視野で考えたとき、Excelをフロントエンドとして活用するには、それなりの使い方が求められると。そういうことです。

Microsoftが、ユーザーに不便を感じさせてでも"大ナタを振るう"ことは、今までもありました。たとえばOffice 2007で、メニューとツールバーを廃止してリボンUIを採用したときです。当然、ほとんどのユーザーから反発されるであろうことは予想していました。でも、ここでUIを一新しないと、今後の発展は望めないと判断して踏み切ったんです。あるいは、Excel 2013からはログインが要求されるようになりました。「Excel 2016は3種類ある」に書いたように、同じExcel 2016でも使用できる機能や関数に違いがあります。そんなことをしたら、ユーザーが混乱するに決まっています。そして、そんなことはMicrosoftだって承知の上です。それでも、そうしなければならない大きな理由があったからです。Excel 2016で「外部データの取り込み」が隠されたのも、それらと同じだと考えられます。

ちょっと話が大きくなってしまいましたが、だからExcel 2016からは"取得と変換"を使ってください。私ね、個人的に思うんですけど、ITの世界って「後ろを向いちゃいけない」って感じるんですよ。何かの仕組みや機能が新しくなったとき、旧来の慣れた機能や仕組みがいいと、それに固執するとろくなことがありません。そんな例をたくさん経験してきました。たとえば、MS-DOSからWindowsに移行したときだって、私の周りで「そんなWindowsなんて使いにくいもの嫌だ!俺はMS-DOSがいい」って言ってた人をたくさん知っています。その人たち、今はIT業界にいませんけど。あるいは、使い慣れたLotus 1-2-3がいい、Excelなんて嫌だとか。未だにNECのPC-9800シリーズにフロッピーディスクやMDを接続して使っている企業も知っています。もちろん、その決断には相応の理由があるんでしょうけど。IT業界の流れって、MicrosoftとかIBMとか、Googleとかamazonとか、世界有数の超大手企業が牽引してます。いち個人や、いち企業が、そうした業界の流れに抗ったって、かないっこありませんって。だから「後ろを向いちゃいけない」って。何も、最先端を目指さなくたっていいんです。いや、最先端は逆に危険です(笑)。いつハシゴを外されるか分かりませんからね。でも、少なくとも、流れと同じ方向に目を向けていなければいけないなって。ITの仕事に携わって四半世紀近くなりますが、最近はそう感じています。すみません、なんか関係ない話になってしまいました。