Office 2016は3種類ある


ややこしい!

まずは、衝撃的なお話から。Office 2016というのは、大きく分けて3種類あります。

ひとつは昔ながらの「DVDなどからインストール」する種類のOffice 2016です。企業内で使われている"ボリュームライセンス"というのも、このタイプの場合があります。ふたつめは「Office 365からインストール」するタイプのOffice 2016です。Office 365というのは、Microsoftが提供しているクラウドサービスの名称で、OneDriveが使えたり、メールアカウントを作れたり、SharePoitやFlowを使えたりします。そして、ExcelやWordなどの、いわゆる「オフィス製品」をインストールして使うこともできます。

さあ、ここからがややこしいのですけど。まず、Office 2016というのは、発売以来毎月機能拡張やバグの修正などが行われています。毎月です。よく、スマートフォンに入れているアプリが、ちょこちょこアップデートされますよね。あの感覚です。いつ、どんなアップデートがされたのかは、Microsoftのサイトで確認できます。

Office 365 ProPlus 更新プログラムリリース情報

ただし、この"毎月の機能拡張"が行われるのは、Office 365からインストールした方だけです。DVDなどからインストールされたOffice 2016には、こうした機能拡張が行われません。ず~っとインストールしたままの状態です。

Office 365からインストールした方にだけ行われる機能拡張ですが、実はここにも細かい違いがありまして。機能拡張が毎月反映されるタイプと、6ヶ月に1回まとめて反映されるタイプがあります。毎月反映されるタイプを月次チャネル、6ヶ月に1回まとめて反映されるタイプを半期チャネルと呼びます。

なぜ6ヶ月に1回まとめてアップデートするのかというと、大手企業などになれば、そのアップデートが基幹システムで問題ないかどうかをチェックしなければなりません。そうした検証期間のために、半期チャネルという仕組みが用意されています。Office 365からインストールしたOffice 2016が、月次チャネルになるか半期チャネルになるかは、原則としてOffice 365の設定によります。

ちなみにですけど、発売以来毎月行われていた機能拡張を、それまで一切機能拡張されていなかったDVDからインストールしたOffice 2016にまとめて組み込んだのが、Office 2019です。

確認する方法

自分がどのタイプのOffice 2016を使っているのかを確認するには、[ファイル]タブを開き[アカウント]をクリックします。実行すると、右側に使っているOffice 2016のバージョンなどが表示されます。

DVDからインストール

Office 365からインストール(毎月機能拡張)

Office 365からインストール(6ヶ月に1回機能拡張)

この画像をキャプチャしたのは、かなり前なのでバージョン番号は古いです。注目していただきたいのは、Office 365からインストールしたタイプにはProPlusと記載されていることです。ここ、ややこしいからよく聞いてください。Office 365からインストールできる「オフィス製品」のことをProPlusと呼びます。整理してみましょう。

Office 2016とは
昔からあるOffice 2003とかOffice2013などのように、いわゆるOffice XXXXというのは、WordやExcelなどのアプリケーションがセットになった製品のこと。XXXXには公開された西暦年がつく。Office 2016は2016年バージョンという意味。ちなみに、こうした複数の製品をまとめたセットのことを「オフィススイート(Office suite)」という。

Office 365とは
Microsoftが提供しているクラウドサービスの名称。メールアカウントを作れたり、SharePointやTeamsやFlowなども使える(プランなどによって使える機能は異なる)。このクラウドサービスで提供される機能のひとつとして、WordやExcelなどの「オフィス製品」をインストールして使うこともできる。

ProPlusとは
クラウドサービス「Office 365」で提供される機能のひとつとして、WordやExcelなどの「オフィス製品」をインストールすることができる。「Office 365」からインストールできる「オフィス製品」のことを(Office XXXXではなく)「Office 365 ProPlus」と呼ぶ。

ということです。上記で解説した「毎月の機能拡張」や「6ヶ月に1回の機能拡張」が行われるのは、ですから、正確に言うと、Office 2016ではなくOffice 365 ProPlusです。

注意しよう

このように、Office 2016には3種類あります。そして、ほとんどのユーザーはそんなこと知りません。その結果どんなトラブルが起きるのでしょう。たとえば、Excel 2016の使い方を調べたくて、Webや本を参考にしたとしましょう。しかし、そこで解説されている機能が、あなたのExcel 2016に搭載されているとは限りません。あるいは、何かのブックを取引先などに渡すとき「Excelのバージョンは何ですか?」などと確認しますよね。「2016を使ってます」と言われても安心はできません。機能拡張によって追加されたIFS関数やTEXTJOIN関数などを使ったブックを、機能拡張されていないExcel 2016で開いたら、当然ながらエラーになります。

当サイトでは、Excelの最新情報をお届けいたしますが、以上の理由により、Excel 2016の種類によっては、活用できない情報もあります。また、Excelの画面は、原稿執筆時のバージョンでキャプチャしますので、最新の画面とは異なることもあり得ます。そんなときは、自分で考えてください。少しくらい画面が違ったって、意味を考えれば分かるはずです。