これは、ProPlusでの変更なので、ここでは同じExcel 2016の、Professional Plusと、ProPlusの画面で解説します。なお「はぁ、ProPlusとかナニ言ってんの?」という方は「Office 2016は3種類ある」をご覧ください。
タイトルバーとは、要するにExcelの一番上に表示されているところです。ここには、現在操作しているブックの名前が表示されます。
【Professional Plus】
【ProPlus】
ね、緑のバーみたいな塗り潰し部分が短くなったでしょ…って、んなことは、どーでもいいんです。違いが分かりますか?分かりませんよね。これは同じです。変わったのは[新しいウィンドウを開く]を実行したときです。
[表示]タブの[新しいウィンドウを開く]というのは、1つのブックを多重化する機能です。1つのブックを2つ開けば、たとえば同じブックのSheet1とSheet2を並べて表示できます。
やってみましょう。
【Professional Plus】
【ProPlus】
分かりますか?[新しいウィンドウを開く]を実行すると、1つのブックが多重化されます。実際は1つの同じブックなのですが、区別するために、タイトルバーに「いくつめのウィンドウ」という連番が振られます。これが、今までは「Book1.xlsm:2」のように、ファイル名の後ろにコロン(:) で連番が区切られていたのが、ProPlusでは「Book1.xlsm - 2」とハイフン(-)で区切られます。
ほとんどのユーザーにとって、これは大きな問題ではありません。ただし、マクロがエラーになる可能性はあります。マクロで、このように複数のウィンドウを開くときって、たいてい開いた複数のウィンドウを同時に整列させて表示します。あるいは、ボタン操作などで表示するウィンドウを切り替えるかもしれません。VBAでウィンドウを指定するときは
Windows(2)
のように、何番目に開いたウィンドウと書くか
Windows("Book2.xlsm:2")
みたく、タイトルバーに表記される文字列(Captionプロパティ)を指定します。はい、そうです。ウィンドウの操作を文字列で指定しているマクロは全滅です。必ずエラーになります。これ、実際に私のセミナーを受けた方から質問されました。「Office 365から入れたExcelでエラーになるんですけど~」って。このエラーが分かりにくいのは、そもそもProPlusでタイトルバーの表記が変わったということを、ほとんどの方が知らないからです。こんな小さな変更は、Microsoftだって大々的に告知しません。だから、まさかエラーの原因がタイトルバーの表記違いだとは思わないでしょう。しかも、同じExcel 2016でも、Professional Plusでは動いて、機能拡張されているProPlusではエラーになるなんて。Microsoftもコクな変更をしたものです。ProPlusになって、自動保存の機能が追加されました。そのせいで、タイトルバーに「保存しました」など、今までにはない表記を追加しなければならなくなりました。その表記を変えるついでに、こんな細かいところを変えたんですね。もしかしたら、何かコロン(:)を使えなくなった事情があるのかな?まぁ、しかたないですね。