セルに001と表示する方法


セルに「001」と入力すると、Excelは自動的に「1」として代入します。Excelは表計算ソフトですから、計算できる数値として認識するのでしょう。しかし、もろもろの事情で、セルに「001」と表示したいこともあります。これには、3つの方法があります。

3桁の表示形式を使う

「001」と入力すると「1」が代入されてしまいます。代入された「1」を「001」みたく表示するだけでしたら、「000」という表示形式を設定すればいいです。

セルに「001」と入力すると

「1」が代入されます。

[セルの書式設定]の[表示形式]で「ユーザー定義」を選択し、[種類]ボックスに「000」と入力します。

セルには「001」と表示されます。

これは、実際には「1」が入力されているけど、表示形式で「001」と見せているだけです。

頭に「'」をつける

見せるだけじゃなくて、実際に「001」という値を代入したいのでしたら、セルに「'001」と入力します。

「'」は接頭辞と呼ばれる特別な記号です。これは、もともとLotus 1-2-3の機能でした。1-2-3では、文字を入力するときは必ず「'」をつけなければならず、数値に「'」をつけると文字列して扱われました。ほかにも1-2-3には、値を中央揃えにする「^」などの接頭辞もありました。Excelは後発で、1-2-3のユーザーを何とか取り込みたいと、こうした1-2-3の機能も使えるようになっています。

なお、「'」を削除する方法については、下記ページをご覧ください。

先頭の「'」(シングルコーテーション)を削除する

文字列の表示形式を使う

データを入力する前に、あらかじめセルの表示形式を文字列にしておきます。

この状態で「001」を入力すると

「001」は文字列として、そのまま入力されます。

表示形式は標準なのに

「表示形式を文字列にしておけば、001と入力できるのは知っています。しかし、送られてきたブックは、表示形式が標準になっているにもかかわらず、セルには001と表示されていました。これはなぜでしょう。何か裏技を使ったのでしょうか?」みたいな質問を、こないだ掲示板で見かけました。な~に、シカケは簡単ですよ。表示形式を文字列にして「001」を入力した後で、表示形式を標準に戻したんです。

上記「文字列の表示形式を使う」で入力したセルD2には、文字列の表示形式が設定されていますよね。これを標準に戻してみましょう。

ほら、変化しないでしょ。表示形式を変えただけでは、数値「1」に戻らないんです。これを数値の「1」に戻すには、セルを一度編集状態にして、再度入力し直します。

編集→再確定 を繰り返すには、[F2]キー→Enterキー を連打するのが簡単です。

あるいは、めったにありませんが、大量のセルに対してこうした再確定をするのでしたら、次のような方法もあります。

文字列として入力されている、再確定したいセル範囲を選択して[検索と置換]ダイアログボックスを開きます。[検索する文字列]に「0」、[置換する文字列]にも「0」を指定して[すべて置換]ボタンをクリックします。

ここで指定した「0」は、すべてのセルに共通する文字です。そうした、共通する文字がないときは、次のような手もあります。

セル範囲を選択して、[データ]-[区切り位置]を実行します。ウィザードの2/3で区切り文字を全部オフにして[完了]ボタンをクリックします。まぁ、存在しないであろう区切り文字を指定してもいいですけど。

文字列形式の数値を探す

先頭に「'」を付けたり、表示形式を文字列にして入力されたデータを探すにはどうしましょう。ここでは、条件付き書式でやってみます。ここでは、次のようなデータを例にします。なお、文字列して入力したセルは、右寄せにしています。

ここで見つけたいのは、次のようなセルとします。

  1. セルが空欄ではない
  2. セルに文字列の表示形式が設定されている
  3. セルの値は計算できる(数値と認識できる)

セルが空欄かどうかを判定しているのは、空欄のセルが数値の0と誤認されるのを防ぐためです。

セル範囲を選択して条件付き書式を設定します。

指定した数式は

=AND(B2<>"",ISTEXT(B2),NOT(ISERROR(B2*1)))

です。セルの表示形式が文字列かどうかは、本来「CELL("prefix",B2)="'"」みたくするのがセオリーでしょうけど、試してみたらISTEXT関数でも判定できました。今回みたく横の配置を変更していると、CELL関数が"を返しますので、いっそ「CELL("prefix",B2)<>""」がいいかも。最後の「計算できるかどうか」は、実際に計算してみて、エラーになるかどうかを判定しています。まぁ、参考までに。