0を表示しない表示形式


セルに表示されている数値の0を、見せたくないときがあります。たとえば次のように。

データが日々追加されていくような表です。D列にはあらかじめ計算式を入力してあります。すると、まだデータが入力されていない6行目以降には、すべて0が表示されてしまいます。もちろん、間違いではありません。最終的にすべてのデータが入力されれば、表として完成します。でも、途中までしかデータ入力されていないと、たくさんの0が並びます。ちょっと恥ずかしいですね。

こうした「0を見せたくない」とき、いくつかの方法があります。IF関数を組み込むなどして、たとえば計算式を変更するのも一考です。しかし実務は、このように簡単な計算とは限りません。せっかく作成した長い計算式を、できれば編集したくないことも多いでしょう。そこで今回は、Excelの機能で「0を表示しない」方法をご紹介します。

オプションを変更する

実はExcelには、セル内の0を表示しないという設定項目があります。Altキーを押しながら[T]→[O]と押してExcelのオプション画面を開きます。[T]の次に押すのはアルファベットの[O]です。オプション画面の左で「詳細設定」を選択し、右側の「次のシートで作業するときの表示設定」にある[ゼロ値のセルにゼロを表示する]チェックボックスをオフにすると、指定したシートでは、セル内のすべての0が非表示になります。

注意していただきたいのは、この設定が"シートごと"の設定だということです。シート内の「すべての0」が非表示になります。また、この設定は「計算式の結果」だけでなく「セルに値として入力した0」も非表示にします。数値の0を有効なデータとして表示したいときには留意してください。

表示形式で0を非表示にする

上記のオプションは「シート内にあるすべての0」が非表示になります。そうではなく、特定のセル範囲だけ0を非表示にしたいときは、表示形式を使いましょう。

0を非表示にしたいセル範囲を選択して、Ctrl + 1を押します。実行すると[セルの書式設定]ダイアログボックスが開きます。

[表示形式]タブの[分類]リストで、一番下の[ユーザー定義]を選択します。

上図では、[種類]ボックスに「G/標準」と表示されていますが、お使いの環境や状況などによって異なります。いずれにしても、この[種類]ボックスに指定した表示形式が、選択したセル範囲に適用されます。さて、数値の0だけを非表示にするには、たとえば次のように設定します。

表示形式は、1つのセルに対して

  1. 正の数に対する表示形式
  2. 負の数に対する表示形式
  3. ゼロ値に対する表示形式
  4. 文字列に対する表示形式
の4種類を指定できます。それぞれの表示形式は、セミコロンで区切って、次のように指定します。

上図で指定した「G/標準;G/標準;」は

  1. 正の数に対する表示形式 → 標準の指定
  2. 負の数に対する表示形式 → 標準の指定
  3. ゼロ値に対する表示形式 → 何も指定しない(何も表示しない)
  4. 文字列に対する表示形式 → 指定を省略(標準の指定)
という意味です。

最後のセミコロン(;)を忘れないようにしてください。最後のセミコロンがないと、ゼロ値の表示形式指定を"省略した"とみなされて、標準の表示形式が適用されます。つまり、0がそのまま表示されちゃいます。

もし、正の数や負の数に、たとえば"桁区切り"の表示形式を指定するようなときは、「#,##0;-#,##0;」などのように指定してください。ここで使用した「#」や「0」を書式記号と呼びます。書式記号の詳細や、表示形式の基本的な使い方などは、次の動画をご覧ください。