Excelに新しいワークシート関数が追加されました。本稿執筆時点(2024/9/3)では、まだInSider Programに実装されただけですので、製品版で使えるようになるには、もう少し時間がかかると思います。今回追加されたのは、TRIMRANGE関数です。"RANGE"はセル範囲のことです。"TRIM"は「除去する」とか「取り除く」などを意味する英単語です。引数に指定したセル範囲の、上行/下行や左列/右列にある"空欄セル"を除去したセル範囲を返します。
TRIMRANGE関数の引数は、次のとおりです。
TRIMRANGE(range,row_trim_mode,col_trim_mode) 日本語で表すと REGEXREPLACE(セル範囲、[行]、[列])
引数「セル範囲」には、元のセル範囲を指定します。引数「行」と引数「列」は省略可能です。それぞれ、除去する部位を次の数値で指定します。
引数「行」
引数「列」
TRIMRANGE関数の実装とともに、セルの参照方法も拡張されました。今までは「どこから どこまで」のようなセル範囲などを表すとき、たとえば「=A1:A5」のように、範囲を表す演算子「:」を用いました。この「:」の左または右にピリオド(.)をつけることで、TRIMRANGE関数と同じ効果を得られます。
ハッキリ言って(現時点では)、実務で便利に使えるケースが思いつきません。パッと思いついたのは、次のようなケースです。
可変のデータを入力規則のリストに設定したいと。でも、何らかの理由で元データをテーブルにできないと。そんなときの指定は楽になりますね。
なお、トリム参照はVBAでも使えます。こっちは、ちょっと便利かも。