細かすぎて伝わらない変更点


この変更点に気づくユーザーが、はたして何人いるでしょう?いや、そもそも、この変更点を喜ぶユーザーがいるのでしょうか?そんな、普通ではまったく気づかない変更点をご紹介します。

Excelには「Lotus 1-2-3形式のキー操作」というオプションがあります。昔々、Excelが登場した頃に一世を風靡していたLotus 1-2-3ユーザーを取り込むために用意された互換オプションです。

これをオンにしておくと、Lotus 1-2-3と同じようなキー操作が可能になります。

たとえば、セルに「\-」と入力すると

「\」に続く「-」が連続して表示されます。

Lotus 1-2-3で「\」は「続く文字をセル幅いっぱいに表示せよ」という接頭辞だからです。

MS-DOS時代には、この機能を使ってシート上に疑似罫線を引いたものです。

「-」だけでなく「+」も

セルいっぱいに表示されます。

もちろん文字列も、

セルいっぱい。

数字だって、

  _  ∩

( ゚∀゚)彡 いっぱい!いっぱい!

 ⊂彡

Excel 2007にも同じ「Lotus 1-2-3形式のキー操作」というオプションがあります。

オンにして試してみましょう。「-」の疑似罫線は、

ご覧の通り。

数字だって、

・・・あれ?

数字が連続しません。

Lotus 1-2-3の接頭辞には「'」「^」「"」などがあり、「'」を付けるとそのデータは文字列として認識されました。これは、Excelでも活用される上質なテクニックですね。ちなみに「^」は続くデータを「文字列として中央揃え」にする接頭辞です。「^123」と入力することで「123」をセルの中央に配置できました。そんな接頭辞のひとつ「\」ですが、続く文字をセル幅いっぱいに表示するという基本ルールは変わらないものの「ただし、数値を除く」という特例がExcel 2007で追加されたようです。確かにその方が自然ですけど、細かすぎてほとんどのユーザーには伝わらない変更点でしょう。