【2025年9月】
ワークシート関数に、新しくCOPILOT関数が追加されました。簡単に言うと、COPILOT関数に記述したプロンプトをMicrosoftのサーバーに送って、AIによる処理結果を返す関数です。ちょっと前からニュースで知っていましたが、正直言って興味ありませんでした。ただ、実際に試してみたら、意外とおもしろかったです。ヘルプに記載はありませんでしたが、おそらく自動保存がオンのブックでしか使えないと思います。また、別ファイル(別ブックやCSVデータなど)への参照はできません。 あと、現状での問題点などもありますので解説します。
たとえば、次のように使います。
引数は「COPILOT(プロンプト, 範囲)」です。引数プロンプトには、いわゆる"AIチャット"で送信するプロンプト(質問やリクエストなど)を記述します。見てのとおり、日本語もOKです。さて、試しに触ってみて、ちょっと驚きました。下図をご覧ください。
COPILOT関数が入力されているセルにアクティブセルを移動すると、上図のように「AI生成」というポップアップが表示されます。「これは、AIによって生成された結果ですよ」というのを、ユーザーに伝えているのは分かりますが、すごく邪魔です。アクティブセルの右2行×2列が見えなくなります。さて、上図では、セル範囲A1:C7のリストで「東京」列の合計を計算しています。していますが、ちょっと、あれ?って思った方はいませんか?これ、合ってます?
なんか、いきなりのことで言葉を失いました。ここは、まず簡単な例を見せてから先に進むところでしょw 空気読めよ。差は260です。この260が何なのかは不明です。検証もしていません。だって、そもそも間違ってるんだから論外です。元データをテーブルにしていなかったからかな?
悪化しましたw あるいは、私のプロンプトが悪かったのかも。
ヘルプには、次のように書かれています。
数値合計のように、単純な計算には、ExcelのSUM関数などを使ってくださいと。そういうことですか。では、数値の計算ではなく、データベース的な抽出はどうでしょう。下図のテーブルには100行程度のデータがあり、日付はランダムです。
同じことはオートフィルタやFILTER関数でも可能です。こうした複雑な抽出をしたいとき、COPILOT関数が役立つのではないかなと思いました。しかし、この結果で気になるところがありますよね。そう、日付の書式です。これ、F列には「yyyy/m/d」の表示形式を設定しているんです。
セルに設定している書式によらず、日付は「d/m/yyyy」で表示されます。GoogleのGemini先生に聞いたところ、これはヨーロッパなどで使われる形式だそうです。ちなみにアメリカでは「m/d/yyyy」だとか。いずれにしても、なんか変なことが起きています。もう一度新しいブックを用意して、同じ確認をしてみます。
新規ブックに、同じデータを作りました。Excelは再起動しましたし、ついでにWindowsも再起動しました。さて、先と同じCOPILOT関数を入力してみましょう。
あれ?なんか増えてないっすかw まぁ、それは置いておくとして、日付の書式は変わらずヨーロッパ式です。COPILOT関数って、ヨーロッパ仕様なんですかね?だったら、日本語とか苦手なのでは?
だからぁ、ここは正解するとこでしょw この後、もっと難読な文字列を用意してるんだから。"とおる"ですよ、"とおる"。昔の横浜税関長「星亨」さんから命名したと聞いています。なお、この方は
税関長時代、英国のクイーンを「女王」と訳し、「女皇」と訳すべしとする英国公使の抗議に、自説を主張し一歩も譲らず、所謂「女王事件」を引き起こし、引責辞任した。
だそうです。頑固な性格は、この名前が由来かも。さてさて「たなかとおる」は、おそらく読めるだろうと、難しい字も試してみました。
セルB4は、文字列をコピーしたので"ふりがな"は登録されていません。まぁ、でも炭治郎は有名人ですし。劇場版の無限城編もすごい人気みたいだし。観に行きたいですけど、胡蝶しのぶさんのシーンで号泣するだろうから、恥ずかしくて行けません。円盤を待ちます。これ、AIですから、ネットで検索したのかもしれませんね。情報は多いはず。じゃ、これなら。
"権田原 友蔵ノ介"は、適当に作りました。念のため検索してみましたけど、1件もヒットしません。なのに読めてます。COPILOT関数すごいですね~っていう流れだったのに、最初の「たなかとおる」を失敗したので台無しです。
さてさて、ちょっと前の「難しいフィルタ」ですけど、オートフィルタで正解を調べてみます。抽出できるように「曜日」列を作りました。
ということだそうです。
ハッキリ覚えていませんが、このCOPILOT関数が追加されたと紹介していたネットの記事で「これで、高度なデータ分析も楽勝ですね~」みたいに書かれていたと記憶しています。そうなんですか?これでw? まぁ、AI自体が、これからもっとブラッシュアップされるとは思いますが、現状では怖くて使えません。記事を否定しているのではないです。鵜呑みにしないでくださいってことです。そもそも、全Excelユーザーのうち"高度なデータ分析"なんてやっている方は、ほとんどいません。あなたは、Excelで毎日、高度なデータ分析していますか?それに、もし高度なデータ分析が生業だったら、Excelじゃなくて、もっと特化した別のアプリやサービスを使うでしょうね。さらに、高度なデータ分岐のうち、合計や平均などの数値計算はNGって、それで行う高度なデータ分析って何でしょうか?
批判じみたことばかり書きましたので、最後に便利な使い方もご紹介します。ネットを検索できるのですから、次のようなことも可能です。
ブラウザで調べて、Excelにコピーして…という手間はなくなりますね。本当に素晴らしい。